結婚式のクライマックスでもある「両親への手紙」、いざ書こうと思ってもなかなか進まず、何を書いたらいいかわからない。という人も多いようです。
素直に日頃の感謝を伝えたり、思い出を振り返ってみたり…ここでは悩める花嫁の手紙が書きやすくなるコツをご紹介します。
構成
まずは具体的な手紙の構成について紹介します。
花嫁の手紙は「書き出し」「エピソード」「結び」の3部構成にあてはめて内容をまとめると、聞いている人にとても伝わりやすくなります。
手紙を書く際、エピソードなどは比較的描きやすいですが、冒頭の書き出しにつまずいてしまう人が多いです。
いくつかの文例を参考にしてみて下さい。
文例1(お父さん、お母さんに向けての場合)
お父さん、お母さん、手紙を書くのは子どもの頃以来ですね。
ところで今日は私の結婚式ですが、同時に2人の27年間に及ぶ子育ての卒業式でもあります。
文例2(ゲストに向けての場合)
皆さま、本日は私たちの結婚式にお集まりいただき、ありがとうございます。
この場をお借りして、育ててくれた親へ感謝の手紙を読むことをお許しください。
文例3(おやがわりの人に向けての場合)
大好きなおばあちゃん。
仕事で忙しいお父さんとお母さんと一緒に、私を今まで大切に育ててくれたおばあちゃんに、まず「ありがとう」を言わせてください。
これらの文例の後に、それぞれの思い出話を繰り広げていきます。
そして最後に結びの言葉で締めくくりましょう。
結びの文例
結びの言葉とは、書き出し同様、両親やゲストに向けた締めくくりの言葉のことです。
感謝の言葉と共に、「これからもよろしくお願いします」や、「ずっと見守っていてください」というようなフレーズを使うと、よりまとまり感が出ていいでしょう。
文例1(家族に向けて)
お父さん、お母さんが教えてくれたことを胸に、これからふたりで温かい家庭を築いていきます。28年間、ありがとう。これからもよろしくお願いします。
文2(ゲストに向けて)
今日の日を無事に迎えられたのも、皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。これからも、私たちふたりをどうぞ温かく見守ってください。
文例3(新郎家族に向けて)
最後に○○さんのお父さん、お母さん、私を温かく迎えてくださってありがとうございます。まだ未熟者の私ですが、これからどうぞよろしくお願いします。
実例
ここでは実際にエピソードを含めての実例を紹介していきます。
子供の頃のエピソード編
パパ、ママ、兄弟の中でも一番わがままだった私を今まで育ててくれて本当にありがとう。
パパは仕事で疲れて、休日はゆっくりしたかったと思うけど、毎年旅行に連れて行ってくれたね。
中学の時、足を骨折してしまった私。パパは仕事を休み、私をおんぶして、病院まで連れて行ってくれたね。
ママは、私がやりたいことを何でもやらせてくれたよね。反抗期の時も受け入れてくれてありがとう。いつも優しいママは私の自慢です。
これからはふたりで仲良くがんばっていきます。パパ、ママもこれからも体には十分気をつけてくださいね。
両親への感謝、尊敬を伝える
お父さん、お母さん。今、私たちは大切な方々に囲まれて人生最高の幸せに包まれています。
今まで長い間、本当にお世話になりました。生意気なことばかり言ってはふたりを困らせたこと、本当にごめんなさい。
小さい頃からふたりの愛情に恵まれて育ったことを思うと、自分が情けなくなります。
私たち姉妹が幼い頃は、週末いつもお父さんの車でいろんなところへ連れて行ってもらいました。
帰りはお父さんの運転が心地よくて、お母さんと私たち姉妹は寝てしまっていましたね。私はお父さんの車の運転が好きでした。
いつも穏やかで優しいお父さん。でも阪神大震災の時は動じず、毅然とした態度で私たちを守ってくれました。最高のお父さんです。
お母さん、こんなに美人で、ピアノの先生で、私にとっては憧れの存在だったんですよ。叱るときの迫力は学校の先生よりも恐かったけど(笑)。
いつかお母さんのように美人でかっこいいピアノの先生になろうと思っていました。もうすぐそれも叶いそうです。美人でかっこいいは別として。
ふたりの愛情のおかげで、私はこんなに納得のいく人生を歩んでくることができました。本当にありがとうございました。素敵な旦那さまにも出会えて、本当に幸せです。
○○家のお父様、お母様。ふつつかな私でございますが、快く受け入れてくださり、ありがとうございます。
○○さんと力を合わせ、ふたりが育ったような温かい家庭を築いていきたいと思います。これからも末永くよろしくお願いいたします。
反抗期のエピソードと感謝
お父さん、お母さん、月並みですが今日まで大事に育ててくれてありがとう。
中学時代の反抗期に「こんな家の子に生まれたくなかった」と随分ひどいことを言ってふたりを落胆させたこともありましたね。
それでも私のことを慈しんで見守ってくれたことに心から感謝しています。
私も子供ができたら、ふたりのように愛情をいっぱい注いで育てて、ふたりのような家庭にしたいと思います。
今まで親不孝した分、これから恩返ししたいので元気に仲良く長生きしてくださいね。
紹介した実例ように、自分達家族の想い出を振り返って、素直な気持ちを是非ストレートにぶつけてみましょう。
これだけは気をつけよう、NGワード‼︎
縁起が悪いとされる言葉や漢字、言い回しは忌み言葉と呼ばれています。
最近の若い世代の方は忌み言葉をそれほど気にしないようですが、年配の方が多く参加する結婚式の披露宴では、なるべく忌み言葉を避けたほうが無難です。
例)別れを連想させる言葉
- 終わる
- 別れる
- 切れる
- 去る
- 帰る
- 流れる
- 冷える
- 離れる
- 薄い
- 浅い
- 短い
例)重ね言葉
- 重ね重ね
- 重ねて
- くれぐれも
- いろいろ
- 近々
- またまた
- 次々
- たびたび
- しばしば
- いよいよ
- ますます
- 毎日毎日
手紙が出来上がったらNGワードが入っていないか、一度確認してみましょう。
読み上げ方にも気を付けよう
クライマックスの手紙を読むシーンは感動の場面です。
両親やゲストの方がより聞きやすい手紙の読み方をご紹介します。
1.とにかくゆっくり読む
普段から大勢の人の前で話す機会がある花嫁は問題ないですが、そうでない人は人前で話すのは緊張してしまうのではないでしょうか。
緊張してしまうと、人は早口になりがちです。
しかし早口になっている事に本人は気付いていないことが多いです。
早口になってしまうと、気持ちがこもっていないように伝わってしまうことがあります。それだけでなく、両親やゲストも聞き取りにくくなってしまいます。
こんなにゆっくりで大丈夫?と思うくらいゆっくり喋っても、案内と周りからは聞き取りやすいスピードだったりするものです。
手紙はゆっくり読むことを心掛けましょう。
2.姿勢を良くして読む
手紙を読む際は、手元の手紙に集中してしまうので、花嫁は猫背になってしまいがちです。
スポットライトがあたり、みんなの目が自分に集まる場面なので姿勢を意識して読みましょう。
3.時々両親の顔を見て手紙を読もう
手紙を読む際は、手紙だけをずっと見るのではなく時々両親の顔を見るように心掛けましょう。
少しくらい読み間違えても問題ありません。
手紙ばかりを見ていては、ただの読み上げになってしまいます。日頃の感謝を伝える機会なので、しっかりと顔を見て感謝の言葉を伝えましょう。
まとめ
花嫁の手紙は、ゲストにとってもとても心温まる演出のひとつになります。
ルールを気にしすぎて、堅苦しい言葉や忌み言葉にとらわれ過ぎると、気持ちが伝わりにくいこともあります。
エピソード部分をあえて、重ね言葉である‟ポロポロ“や不幸を感じさせる言葉とされる涙を“流す”などを使用することも実際にはあります。
忌み言葉であっても、どうしてもその言葉を使わなければ気持ちやニュアンスが伝わりにくい場合もあるからです。
花嫁の手紙は最低限のマナーを守りながら、ありのままの気持ちを自分らしい言葉で両親へ伝えてみましょう。